新しい分析装置

先月より新しい尿成分の分析装置が稼働しています。 

これまで患者さんの尿を遠心分離機にかけてから、プレパラートを作成して顕微鏡を用いて目視で尿血球、尿赤血球、細菌、結晶成分を確認していましたが、先月より全自動尿中有形成分分析装置を導入しました。

従来の方法ですと検査に5分程度かかっていましたが、新しい装置では1分強で検査結果が得られるため、待ち時間の短縮につながることが期待できます。

また尿中の細菌類の量や、円柱成分、異形細胞の検出など、より詳細な情報が得られるようなっており、他の検査と併せて尿路感染や腎炎、尿路の癌の診断に役立てることができるようになっています。

ただし血尿や感染尿で非常に混濁が強い場合は、従来の顕微鏡での検査を選択する必要があるため遠心分離機、顕微鏡もまだまだ現役で頑張っています。

なお新型コロナウイルス感染は世界中で広がり重大な脅威となっています。咳などによる飛沫感染が注目されがちですが、接触感染も重要な感染経路です。こまめに石鹸で手を洗うことも大事です。ウイルスが手についただけでは感染しません。外出から帰って手を洗う前に目、鼻、口を触らないようにしましょう。

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節分

今日は節分

暦の上では明日から春ですね。

今年は暖冬とはいえ、まだまだ寒い日が続き、これから1日の中の寒暖の差も大きくなります。皆さま体調管理には気を付けて下さい。

節分といえば、豆まき。室町時代には豆をまいて邪気(鬼)を追い出す行事が行われていたようです。世界各国で新型コロナウイルスによる感染症の広がりも伝えられており、豆まきで無病息災を願いたいところ。

医学的には、新型コロナウイルス感染予防対策はインフルエンザに対する方法と変わりありません。まずはこまめな石鹸を使った手洗いが大切です。うがいや部屋の適度な加湿、マスクも適度使用しましょう。ウイルスは非常に小さくマスクを容易に通り抜けてしまいますが患者さんの咳によるウイルスの含まれたしぶきなどを防ぐ効果はある程度期待できます。消毒用アルコールもコロナウイルスに対しては有効とされています。

十分な栄養と休養で、感染に対する抵抗力をつけておくことも忘れずに。

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仕事納め

1228日。今日がクリニックの仕事納めでした。

インフルエンザの患者さんに加えて、下痢、嘔吐を症状とする腸炎の患者さんも増えてきました。感染性胃腸炎や食中毒は1年を通して発生していますが、ノロウイルスを代表とするウイルス性の胃腸炎は特に冬に流行します。

インフルエンザウイルスとは違って、ノロウイルスにはワクチンはなく、治療は対症療法に限られています。下痢止めは病気の回復を遅らせる危険性があるので、原則用いません。

予防対策が大事になります。

まず食事前、トイレの後には必ず手を洗うことが大事です。

石鹸自体にノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の汚れを落とすことで、手指からウイルスをはがれやすくする効果があるので、石鹸を使うようにしましょう。

一般的にウイルスは加熱に弱いので、加熱調理は有効な手段です。ノロウイルス感染の恐れのある牡蠣など二枚貝などの食品の場合は中心部が8590℃で90秒以上の加熱が望ましいとされています。

感染した場合、主な症状は下痢、嘔気、嘔吐です。あまり高熱にならないことが多いとされます。症状の持続時間は数時間~数日(平均1~2日)と比較的短期間なので、その間脱水にならないよう、こまめに水分補給をとることが大事になります。

水分がとれないようであれば点滴などで補う必要があるので医療機関にご相談下さい。

来年の診療は1月4日より開始します。体調管理に気を付けて皆さま良い年末年始をお迎えください。

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冬至

1222日。今日は1年で最も日の短い冬至です。

冷え込みが強まっており、多くの方が体調を崩して来院されています。インフルエンザと診断される患者さんも増えてきました。

本格的な流行はまだまだこれから。外出後の石鹸での手洗い、うがいなど予防に気を付けましょう。室内の適度な加湿も感染予防に有効とされており、クリニック内でも加湿器を稼働させています。

江戸時代より冬至の日に柚子を浮かべた湯船に入る習慣が伝わっています。冬至と湯治の語呂合わせ、無病息災なら融通(柚子)が利くといった言葉遊びが起源との説もあるようです。

冬の伝染病の代表格インフルエンザは古来よりしばしば世界的に流行しており、紀元前412年「医学の父」ヒポクラテスは「ある日突然多数の住民が高熱を出し、震えがきて、咳が盛んになった。たちまち村中にこの不思議な病気が広がり、住民は脅えたがすぐに去っていった」とインフルエンザを疑わせる記録を残していますし、日本でも901年完成の「三代実録」の862年の記載に「多患、咳逆、死者甚衆」の記載があり、インフルエンザのことだと考えられています。江戸時代には少なくとも27回のインフルエンザの流行があったとことが記されており、そのうち1716年の流行では江戸だけで8万人の方が亡くなり、棺桶が足りずに桶で代用し、火葬場が順番待ちになった状況が記録されています。

江戸時代にはインフルエンザ以外にも天然痘、麻疹など危険な伝染病が猛威を振るっており、多くの人命が失われました。江戸時代末期にはコレラも加わり、例えば1858年に長崎に上陸したコレラは、瞬く間に九州、大阪、京都、江戸へと広がり、江戸では50日間に4万人以上が亡くなったと記録されています。薩摩の大名島津斉彬もコレラに罹患し亡くなっています。

冬至の柚子湯には先人達の無病息災を願う、切実な祈りがこめられているのですね。

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インフルエンザワクチン

日中はまだ30℃を超えますが、朝晩は涼しくなってきました。季節の変わり目で風邪などで体調を崩して受診される方が増えてきます。秋も深まると、インフルエンザをはじめとするウイルス感染の流行期が近づきます。

東京都は926日、都内がインフルエンザの流行期に入ったと発表しています。昨年よりも2カ月以上早く、今年のインフルエンザの流行が早まる可能性があり警戒が必要です。

ワクチン接種はインフルエンザ重症化の危険性を軽減する有効な手段です。

当院では1015日よりインフルエンザ予防接種を開始します。

特にご高齢の方や持病のある方は重症化のリスクが高いことが知られていますので、接種を考えている方は大流行の前に早めに接種するようにしましょう。

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残暑

お盆に入りました。

暦の上は秋でも猛暑が続き、まだまだ熱中症に警戒が必要です。

熱中症の代表的な初期症状にめまい、立ちくらみがあります。

からだは暑さで体温が上昇すると、熱を逃がして体温を下げるため血管を広げて対応しますが、結果として血圧が下がり、脳への血流が低下することでめまいや立ちくらみを起こします。症状が悪化すると意識を失うこともあります。

多くの場合、クーラーの効いた屋内や涼しい日陰に移動して水分や塩分を補給することで改善が期待できますが、意識がもうろうとしたり自力で水分がとれないようであればすぐに医療機関の受診が必要です。

お盆期間中、車で長距離おでかけする機会も多いかと思いますが、クーラーをつけていてもフロントガラスから日光があたったりしてドライバーの体温は上昇しがち。運転中はなかなか水分とれないうえに、トイレに行きたくなっては困るからと水分を控えたりすると車内でも容易に熱中症になる危険があります。

こまめに休憩をとって、水分を補給するなど気を付けるようにしましょう。 

 

なお当院は今年もお盆休みはなく通常診療を続けております。

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猛暑

五月晴れを通り越し、真夏の暑さの日が続きます。クリニックでも冷房が入っています。

全国的に熱中症症状で搬送される方が増え、25日は460名の方が搬送されたそうです。こまめな水分摂取と、汗が大量にでた場合は塩分も同時にとることが大切です。まだ暑さに体が慣れていない時期であり、夏場以上に警戒が必要。高温下での運動などは危険性が高いので、中止も含めて慎重に判断しましょう。 

週明けの27日まで高温が続くとの予想もあり、皆さま健康管理に気を付けて下さい。

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ゴールデンウィーク

ゴールデンウィーク期間に入りました。

大勢の人が集まる場所に行く機会も多いと思いますが、国内各地でインフルエンザBの患者数の増加が報告されており警戒が必要です。

現時点では流行の水準ではありませんが名古屋市でも市内定点からの合計患者報告数が1週前より増加を認めています。連休期間中は人の移動が活発になるので感染が広がる危険性があります。帰宅時の石鹸での手洗い。バランスのとれた食事、十分な睡眠で体調を整えましょう。昨年秋に予防接種をうけた方もワクチンの効力が弱くなってきている可能性があり、重症化しやすい高齢者や乳幼児は特に注意しましょう。

ゴールデンウィーク中、当院は4月30日、5月2日は通常の体制で診療を行います。

皆さまよい休日をおすごし下さい。

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節分

23日 今日は節分です。

明日から暦の上では春ですね。明日立春にかけては次第に南風が強まり、ところによっては春の嵐になる可能性もあるようです。みなさま突風にはご注意下さい。

節分といえば豆まき。室町時代には豆をまいて邪気(鬼)を追い出す行事が行われていたようです。

邪気といえば、熱っぽい、のどが痛い、咳がでるといった症状が出たとき「風邪」を引いたとよくいいますね。昔の人は邪悪な風が人間の体に災いをもたらすと考えて、呼吸器症状だけでなく腹痛、下痢などの病状に対しても「かぜ」の語をあてたとされています。日本では近世にはいってから漢語の風邪(ふうじゃ)も用いられるようになりましたが、これも「かぜ」と読むようになったのは明治時代から。

なお脳出血や脳梗塞など脳卒中の後遺症についても昔は「中風(ちゅうふう)」という言葉があてられており、「風に中(あ)たる」ということで、風が麻痺の原因となると考えられていました。脳卒中はかつて日本人の死因トップ。塩分の多い食事による高血圧が主原因と考えられています。歴史上の人物では上杉謙信や源頼朝、徳川吉宗などが脳卒中だったのではないかと言われています。上杉謙信は厠で倒れて一時意識を消失し、わずかに意識を取り戻したが遺言を書き残すことはできなかったとの記録が残り、脳出血だった可能性が指摘されています。「四十九年一睡夢 一期栄華一杯酒」との辞世の句が残るほどの大酒豪。伝わる酒の肴は梅干し、塩や味噌と塩分の多いものばかり。アルコールと塩分による高血圧が脳卒中の原因であった可能性があります。寒くなる冬は交感神経が緊張するため血圧は暖かい時期より上昇。寒いトイレでいきむと急激な血圧上昇をきたすことがあり脳血管障害の危険性が増します。戦国時代と変わらず現代でも冬のトイレは危険スポットであることにかわりありません。

春目前ですが、まだまだインフルエンザが流行中。今日は無病息災を願っての豆まきも良いかもしれませんね。

外出からの手洗い、うがいも忘れずに。

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大寒

1月20日、今日は大寒です。一年で最も寒いとされる時期ですね。

年明けよりインフルエンザも大流行。多くの患者さんがインフルエンザに罹患してクリニックを受診されています。

感染予防としてはワクチン接種以外にもいくつか方法があります。外出後の石鹸、流水での手洗いは手についたウイルスを物理的に除去する有効な方法です。なおノロウイルスなどとは違い、インフルエンザウイルスに対してはアルコール製剤による手指衛生も有効です。また空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下するためインフルエンザに感染しやすくなります。乾燥しやすい室内では加湿器などを使って5060%を目安に、適切な湿度を保つことも効果的です。現在クリニックでも待合、診察室、処置室で加湿器を稼働しています。人混みに出る時にマスクをする方も多いと思いますが、飛沫感染予防に対して、網目の荒いガーゼマスクは効果が乏しいので、インフルエンザ感染予防の点では不織布製マスクを選択する方がより効果的です。不織布製マスクは使い捨てが原則。使ったマスクにはウイルスが付着している可能性があるので、使いまわさないようにしましょう。

今週の後半は強い寒気が流れ込んできて、寒さになるようです。

これからが一番の寒さが厳しくなる時期。

十分な栄養と休養も感染対策に欠かせません。しっかり対策して冬をのりきりましょう。

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