夏と尿管結石

お盆に入りました。

暦の上では秋に入っていますが、今年は異例の猛暑が続き、体感上は夏の真っただ中。

脱水傾向になりがちなこの時期、尿管結石で受診される患者さんが増えています。

強い側腹部から背部にかけての疼痛が特徴的。今日も何人もの患者さんが受診されました。

基本的な予防は、尿の量を増やして尿の中の結石の原因となる物質の濃度を低下させること。結石形成の危険度は1日尿量が1000ml以下で増加、2000ml以上で低下することが知られています。水やシュウ酸の含有の少ないお茶(麦茶、ほうじ茶)をこまめにとることがお勧めです。

暑くてビールの美味しい季節ですが、ビールの大量摂取は尿中の尿酸増加や利尿作用に伴う脱水を招きやすく結石予防の手段としては不適とされています。おいしくビールを飲んで結石予防になるのなら、こんな良いことはないのですが、ちょっと残念。

結石の原因となるカルシウムを摂取制限すると良いと考える方がしばしばいらっしゃいますが、過度のカルシウム制限は、本来腸の中でカルシウムと結合して便の中に排出されていたシュウ酸が腸から過剰に吸収される結果になり、尿に捨てられるシュウ酸が増えることで、逆にシュウ酸カルシウムによる結石(最も多い尿路結石)が作られる危険性が増すことが知られています。日本人のカルシウム摂取量は不足気味であることが知られているので、カルシウムは乳製品、小魚などで意識してとる必要のある成分です。

厳しい残暑が続きますが体調管理に気を付けて、この夏を乗りきっていきましょう。

なお当院は今年もお盆休みはなく通常診療を続けております。

 

 

東区建中寺。境内では迎え火の準備が進められていました。

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