アルコール

梅雨が明けると、熱中症患者が増加します。

本日の総務省の発表では、先週1週に熱中症によって救急搬送された方は全国で6165名。前週のほぼ2倍に増えたようです。死者も14名も出ており、これからの季節注意が必要です。屋外はもちろん室内でも、こまめな水分摂取をすすめます。特に屋外では塩分などを含むスポーツ飲料などの活用もすすめることも多いです。

時々「熱中症予防に毎日ビールを飲んでいます」(たいてい普段の診察では節酒をすすめられている)と満面の笑顔で言われる方がいますが、残念ながらビールなどは利尿作用が強いので水分補給の手段としては適していません。冷えたビールがおいしい季節であることは否定できませんが、熱中症予防のお墨付きとはいきませんね。

お酒を造るのは人間だけですが、好きなのは人間だけではないようで、京都大学のグループが、西アフリカ(ギニア共和国)の野生のチンパンジーが現地の方の人が樹液で作った酒を習慣的に飲酒する行動を報告しています。

酒はヤシの木に傷をつけて樹液を自然発酵させたのもで、アルコール度数は平均 3.1%高いものでは6.9%になるそうです。こうなると大抵のビールよりも高いアルコール度数ですね。チンパンジーは葉っぱを皺くちゃにすることでスポンジのようにして酒を浸して飲むそうです。野生動物の習慣的な飲酒の報告としては初めてのものだとのこと。ギニアのチンパンジーは大人も子供も飲むようです。人間のように飲み会もするのかな?

チンパンジーもアルコール分解の遺伝子をもっているそうですが、よく考えてみると自然界で熟して落下した果実が自然発酵してアルコールを含んでいることは、頻繁にありそうで、果実などを栄養源とする生物が進化の過程でアルコール分解の能力を獲得していることは不思議なことではないのかもしれません。

 

チンパンジーも好きなお酒ですが、水分補給には使えません。あくまで嗜好品としてほどほどに。

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