5月5日。今日は端午の節句です。
奈良時代には定着して広く親しまれている年中行事で、平安時代中期の随筆「枕草子」でも菖蒲や蓬の香りを楽しむ様子が描かれています。菖蒲も蓬も邪気を払う薬草とされており、軒先などにつるして無病息災を願いました。
鎌倉時代に入り武家社会になると同じ読みの「菖蒲」と「尚武」をかけて、鎧兜をかざって勇ましい男子の成長を祈る行事へと変化していきます。
端午の節句のスイーツといえば粽と柏餅。
粽は中国伝来の縁起物ですが、柏餅は日本で生み出された縁起物です。
柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちません。
このことから柏餅は「跡をつぐ子供が生まれるまでは親は死なない」「子孫繁栄。家系が絶えず代々栄える」との願いを込め端午の節句に縁起物として食べられるようになったと伝えられています。家系の存続が至上命題の武家にとっては縁起のよい菓子だったのですね。
なお柏餅の柏は香りづけ用で食用ではありません。このあたり桜餅と違ってまぎわらしい… 子供の頃、知らずに柏の葉を食べたことがありますが、硬くて不味かったので全部食べてしまう人は少ないかな。食べても毒ではないようです。
粽と柏餅、どちらも捨てがたいですが、縁起物とはいえ糖質制限を医師から指示されている方はほどほどに。食後の散歩などの有酸素運動も健康面では有効なので積極的に取り入れましょう。
鶴舞公園で舞う鯉のぼり。端午の節句を代表する風物詩ですね。