居候

11月に入り、インフルエンザ予防接種を希望されて来院される方も増えてきています。

名古屋市の70定点での発生状況(10月26日~11月1日)を見ると計4名とのことですので、まだ流行ははじまっていないようです。インフルエンザは例年11月下旬頃から発生しはじめて12~3月にかけて猛威を振るいます。ワクチン接種後効果を発揮するのに2週程度期間が必要なことも考えて早めにワクチン接種の計画を立てましょう。

前回我々の染色体に取り込まれてしまっているウイルス(ウイルス粒子を作らせたりしないので遺伝情報の断片みたいなものですが)の話をだしました。ちゃっかり居候しているわけですが、なかには非常に大事な役割を果たしているものもいて胎盤形成に関与したり、レトロウイルス感染への防御に働いたりしている領域もあります。人類以前の遠いご先祖にウイルス感染がなければ、進化がなく、今の生命がなかったと考えると不思議ですね。

とはいっても、風邪にしてもインフルエンザにしても普段のウイルス感染はやっぱり不快で、しばしば危険。ウイルスに感謝する気にはなれませんが。

居候はウイルスに限らず、細菌由来のものもいます。我々の細胞内でエネルギー産生を担っている小器官ミトコンドリアはαプロテオ菌由来といわれています。20億年もの遠い昔にご先祖様(まだたった一つの細胞からなる生物ですが)の細胞質内にもぐりこみ共生してきました。前出の内在性ウイルスの遺伝情報は細胞核内のDNA内に断片化して取り込まれていますが、ミトコンドリアは核内とは全く別の、独自の遺伝情報(ミトコンドリアDNA)をもっています。

ミトコンドリアは糖と酸素を使ってエネルギーを作ってくれており機能不全に陥ると生命は維持できません。居候といったら失礼かな。

現在の地球上の生命はウイルスや細菌などの複雑な相互作用と進化の結果なんですね。

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