桜にも青葉が混じるようになってきましたが、暖かくなったり、寒くなったりの気候がまだ続きます。今日の外来でも「風邪をひいた」と何人もの患者さんが来院されました。
私も毎年必ず、桜咲く頃に風邪をひいて、ほとんど年中行事となっているのですが、今年は来ないのかなと思っていたら喉に違和感が出てきて、今日はのど飴をお供に出勤です。
「春の風邪」は俳句の季語にもなっており、俳句では正岡子規の「蒲団着て、手紙を書く也 春の風邪」のようなのどかなものが多いのですが、実生活では、なかなか風流を決めこむわけにもいかない厄介な「風物詩」です。
現代でも風邪に特効薬はないわけですが、やっぱり困るので、昔から治療法が色々模索されています。平安時代の日本最古の医学書「医心方」ではニンニクが風邪薬としてあげられ、江戸時代に入ると学者の貝原益軒が風邪薬としてショウガの服用をすすめています。
確か平安時代の「源氏物語」には「ひどい風邪で熱さましのためニラを飲んだので、臭くてお会いできません」というようなことを言って、面会を断る場面があったような・・・ 記憶曖昧ですが、仮病の場面だったと思います。ニラの口臭を口実とした面会謝絶は現代では通らないでしょうね。
ニンニク、ニラ、ショウガ。現代からみても効能ありそうな3食材ですが、全部とると明日の外来は源氏物語以上の大惨事となりそう。今日の夕食はすりおろしニンニク、ショウガで鍋あたりに留めたほうが無難でしょうか。
春風邪だけでなく、まだインフルエンザもパラパラ発生しているようです。皆様も手洗い、うがいで予防に気を付けて下さい。