掘り出しもの

「春はあけぼの」は清少納言の「枕草子」ですが、ほとんど朝日を拝めない雨の日が続きます。

まだ風邪が治りきっていなかったので、週末はおとなしく部屋で整理整頓(結局我慢しきれず夕に外出してしまいましたが)。段ボールをあけると思わぬ掘り出しものがでてきます。歴史書、小説、児童文学、料理の本、空手の型の教本などなど・・医学書ももちろん混じってはいますが。なかには医者になる前からある古株も。学生時代、定期テスト前夜に少し読むだけのはずだったのに、全部読み切ってしまい鳥がチュンチュンなく声で、夜が明けてしまったことに気づいて真っ青になったことなど失敗も思い出します(司馬遼太郎の「燃えよ剣」でした)。

うれしくなって、色々ひっぱりだして眺めていると整理整頓するはずが、すぐに床一面本だらけで踏みどころがなくなってしまいました。

そんな中に兼好法師の「徒然草」があるのを見つけました。「徒然草」と言えば「枕草子」とならぶ日本三大随筆の一つ。もう一つは鴨長明の「方丈記」。冒頭文が美しい。でも方丈記は通しでは読んだことがないな。教科書、受験勉強で読んだくらい。

徒然草は世俗への辛辣な批判や、住居論、笑い話、死生観のような話まであり多様。方丈記同様、無常観がベースになっていますが、こちらは悲壮感は感じられず、むしろそれを楽しんでいる様子もうかがわれます。その人生を楽しんでいるところ、筆者の独断と偏見を小気味よく押し通していくあたりが個人的には結構好きな古典です。私もつれづれなるままに、思うことを書き連ねているわけですが、名文と呼ばれる文章はやはりリズムが良いですね・・ 久しぶりに読み返して、そう感じました。

こうして楽しく週末が過ぎていきましたが、部屋はちらかり放題。

まぁ整頓は引っ越しまであきらめましょうか。

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建築現場

4月12日

二日酔いにもならず無事帰ってきました。

工事現場に立ち寄ってみました。DSC00020一見あまり変わっていないように見えましたが、よく見ると敷地周囲3方向にコンクリートブロックによる擁壁ができていました。敷地を少しだけ盛って建屋そのものを少し持ち上げる計画です。

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今日は上々

4月11日

やっと良い天気になりました。「つつじ」はもういくつも咲いていて、つぼみもずいぶん開いてきていました。風はありますが暖かくなりそうです。今日は、気の合った遊び仲間と朝までじっくり飲み会です。私の仕事が終わるのを待って片道20キロをお迎えに来てくれるとのことです。ありがたいことです。では今日はこれにて失礼します。

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春は来ています

4月10日

桜も散ったのに今日も寒い朝でした。その上さらに少々事情があって、自分でしたことながら、大変不機嫌に、いつも通らない道を通って出勤しました。

事情というのは、昨夜ある講演会に出席しました。講演会場入り口付近に郵便ポストがあり、郵便物を投函するために、忘れないようにわざわざ手に持って出たのですが、あろうことか、手に持ったまま会場に入ってしまい、恥ずかしくてあわててポケットに仕舞ってしまいました。講演会が終わって、帰り道、ポスト前を通ったのですが・・通過。そのまま帰宅し、ポケットの中の郵便物を発見し愕然としました。それで、今朝は内心腐りながら遠回りしてポストに寄って、無事投函したということです。

ポスト近くの、とあるビルの花壇に、ピンクの花が揺れています。「つつじ」です。日差しもなく、冷たい風に吹かれていても、それでも健気に季節を告げているのです。春は来ているのです。物忘れも悪いことばかりではありません。うれしくて何枚も何枚も写真を撮っていて・・・・・・・今朝は遅刻しました。P1000051P1000050

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戦国時代の健康マニア

インターネットが普及し、様々な健康情報が溢れています。科学的な情報もあれば、怪しげなものも随分混じっています。

昨日の豊臣秀頼がメタボの代表とすると、その相手の徳川家康は「健康マニア」と言っていいほど養生に励んだ人物として有名です。秀頼と対決する頃には太ってきてはいますが。

運動を健康法としても認識した先駆者の1人でもあります。徳川実記(江戸幕府の公式文書)には、刀の修練、乗馬、水泳に励む様子や、晩年頻繁に行った鷹狩などは朝早起きして運動するので、朝食もおいしく、夜もぐっすり眠れるので良薬にまさる養生と述べた様子が記されています。淋菌・梅毒を避けるため遊女を近づけない、タバコを吸わない、生水を飲まないなど、その知識は現代でも通じるほど科学的です。

家康は薬にも興味をもち、みずから多くの薬を調合しています。当人が用いた薬種と製薬道具の目録が「駿府御分物御道具帳」(全11冊!)に載っていますが、用いた薬種は、麝香、龍脳、人参、蜂蜜、犀角、大黄、甘草、没薬、麻黄、附子、肉桂など160種にも及びます。

もっとも医学知識に自信があるゆえに、患者としては医師泣かせ。晩年の鯛の天ぷらにあたって・・というエピソードは有名ですが、この際も自身で寸白(サナダ虫)と診断し、自身で調合した薬を内服し続け、医師のすすめる薬は飲もうとせず。

最後は怒って医師を流罪にしてしまいます。発症から亡くなるまで3カ月かかっていること、体重減少傾向があったこと、医師が腹部腫瘤をふれたこと、吐血と黒色便があったことが記録されており、死因は食中毒ではなく胃癌ではないかともされています。

健康維持は現代でも生活習慣の改善から。「これだけ飲めば大丈夫!」のような魔法の薬はありません。

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和食でもメタボ

春は健診のシーズン。

肥満、高脂血症などを指摘され、来院される患者さんもいます。

まずは食事や運動など生活習慣の改善指導が行われます。

ユネスコ無形文化遺産に登録された和食は、栄養バランスのとれたヘルシーな食事として知られています。「昔の日本にはメタボなどの問題はなかった」と言いたいところですが、やはり摂取量が多く、運動量が少なければ当然メタボになります。

映画やドラマでは華奢に描かれることが多い、豊臣秀頼などは立派な肥満の一人です。残っている記録では身長6尺5寸(約197cm)、体重43貫(約160kg)とも伝わっており、規格外の巨漢だったことが分かります。成人後、二条城で徳川家康と会見した際、家康がその「成長」の脅威を感じたというのも無理もないですね。

教科書などで有名な肖像画は養源院(京都)に伝わるものですが、これは直衣姿で少年期のもの。ほっそりした優男です。青年期の肖像画も実はあり、東京芸術大学附属芸術資料館に伝わっています。こちらは束帯姿で立派な体格、顔もパンパンです。まぁ大巨漢が大坂城内を逃げ惑うでは悲劇の大坂夏の陣のイメージにはそぐわないでしょうか。

肥満、高脂血症の改善のためには、食事の内容と量、そして適度な運動がかかせません。

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三寒四温

今日は冬に戻ったかのような1日。関東では雪も降ったようです。

しまいかけだった冬物コートも再登場で出勤しました。つい「三寒四温」という表現を思い浮かべ、春が寒暖差の大きい時期であることを実感します。

実はこの表現、もともとは日本の気候を説明したものではありません。本来は冬の中国東北部や朝鮮半島北部の気候を表す表現(シベリア高気圧からの寒気が7日周期で強まったり、弱まったりする)でしたが、日本の冬にはこのような現象がないので、次第に寒暖の大きな春に使われるように変わっていったようです。

とはいっても、もっぱら早春に使われる表現。桜に青葉が混じる今の時期にこの言葉が思い浮かぶようでは、やはり特別に寒いのでしょう。

今日の外来でも、風邪をひいたと訪れる患者さんが結構来院されました。体温調節のできる服装、外出後の手洗い・うがい、十分な休養に注意が必要です。

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思わぬ出来事


4月7日

先日、建築現場を見に行こうと、車でしばらく走るとかすかにパタパタ、パタパタと右の後ろで周期的な音が聞こえます。「パンクかな」とは思いましたが、名古屋です。時速50km車間距離数メートルで集団走していますから止まれません。止まれば大混乱だけではすみません。左はずっと長い塀に沿っていてガードレール切れ目なし。右も切れ目なしの中央分離帯の片側2車線道路。(だから集団走ができるのです。)走行は全く安定していて、ハンドルも取られなければ、加速も減速もいつもと変わりません。

待望の赤信号で降りてみて、ベルトの上の腹のようにたるんでいるタイヤをみつけました。左折して、ここでタイヤ交換。まず取扱説明書を出します。スペアタイヤはどこにあるのだろう。「お車QQ隊呼ぼうかな」でも、アウトドア派を自認する立場としてはタイヤ交換では呼べません。次にジャッキを出します。しかしこんなジャッキ見たことがない、どっちが上か下かもわからない。ジャッキはどこに当てるのだろう。「お車QQ隊呼ぼうかな」取扱説明書再度熟読です。ハブナットを外すのですが、一つがくるくる回って外れない。なんでだろう。「お車QQ隊呼ぼうかな」また熟読です。次は破損したタイヤ収納です。小さな車なのに大きなタイヤ。取扱説明書には「トランクに入ります」とわざわざ断言。中の整理をしてぎりぎり入りました。ひどいパンクしていたから。タイヤに空気が残っていたら絶対無理。そこまで計算してあったのでしょうか。何とか交換を終り、後片づけ。プラスチック部品がなぜかひとつ余りました。DSCF1935

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ご近所で一人住まいのおばあさんが引き取られ家が解体されて更地になりました。やじうまで更地を見に行きました。それが敗因でした。タイヤには小さな釘が深々。DSCF1937

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医者の不養生

本日は年に1回の定期健診。「医者の不養生」という先人の言葉を、しみじみとかみしめる日でもあります。規則正しい食事、十分な睡眠、情動ストレスの管理、定期的な有酸素運動、減量、野菜・魚の積極的な摂取・・などなど、患者さんには日々指導しているわけですが、もっとも不健康な生活をしているのが自分だったりします。

メタボリックシンドロームを略した「メタボ」という言葉が広く浸透してきたことからも、肥満(とくに内臓脂肪)が健康のリスク要因であることは一般の方にも認識されるようになってきている印象です。

一方で超高齢社会に突入している日本では、過栄養とは対極とも言える、高齢者の低栄養・虚弱の問題もクローズアップされつつあります。「フレイル」とも呼ばれますが、「メタボリックシンドローム」と比べれば社会の認知はまだまだ。加齢に伴う筋力低下にタンパク質摂食不足による筋量低下が加わり、外出が減り活動低下、人と接する機会が減るので認知機能が低下、さらに食事バランスが崩れて・・と悪循環を繰り返し、寝たきりの一因ともなる病態です。

「過栄養」だけでなく「低栄養」の問題も健康年齢の延長のための重要な課題となってきそうですが、まずは自分の生活習慣から見直さないとな・・ 少々キツくなってきたウエストを見ながら考えた1日でした。

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基礎工事終了

4月6日

古今和歌集にある「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」この歌は、在原業平によって詠まれたものです。

基礎工事は完了し、今日は床下配線の溝を作ったり、敷地周囲の土留めの擁壁を作る作業だそうです。ここが診察室、ここが待合室・・とひとつひとつの土台の区切りを、設計図面の部屋割りを思い出して当てはめてみるのだけれど、しろうとにはイメージが湧きません。それだけに出来上がりが楽しみと言えばそうなのですが、「どうなるのだろう」が本音です。桜は散ってしまっても「のどけき」心境には程遠いようです。DSCF1948

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