なお雨が降り続けます。これは一層読書に励めということなのでしょう。今日とりあげるのは不思議の国のアリス(Alice’s Adventures in Wonderland 1856年 ルイスキャロル)。大学生時代に買った本なのでボロボロです。手垢がつくまで読み込んだためではなく保存状態が悪いというのが原因ですが。
知人の少女(アリス・リデル)のために即興で聞かせた物語がもとになっています。昨日とりあげたプーさんと似てますね。ただしプーさんの方のクリストファー・ロビンは作品で世界一有名となってしまったが故に現実世界では重荷を負って苦しんだことで有名ですが、アリスの方はそんなエピソードはなかったかな。
この作品、高校生の時に訳本を読んだのですが、読後感想は「?」 もう1回読み返したが「??」
その日の授業をまるまるつぶして、読んだのですがよく分からない。あらすじは脈絡がなく、会話もデタラメ。これは名作なのか?と。乱読時代で、作者も作品も何の知識もないまま活字であれば片っ端から読み流していた頃なので、その時は釈然としないまま終わってしまいました。
大学生になってこの作品がナンセンス文学の代表作で、翻訳者泣かせの本と知り、大学生になったのだからとペーパーバックで再挑戦! ところが英語で読んでも、やっぱり背景知識が分からないので、どこが面白いのか分からない。解説書を買い足してみたび挑戦した、そういった思い入れのある作品です。そんなにしてまで児童文学を読まなくてもとは思いますが・・ 発掘された解説書の方もボロボロ。保存状態悪いです。明治時代の文書だと言っても信じてもらえるかな。
この作品の意義は、それまで英国の児童文学は教訓物語しかなかったのを打破したことにあります。当時みんなが知っていた教訓詩を言葉遊びのデタラメなものに変えたり、もはや意味さえ通らないものまであります。あらすじを追う物語ではないので起→転→転→転→結 といった感じ。読者は題名通り、不思議の国にドップリ入り込み、アリスと一緒に幻想世界に遊ぶことになります。
久しぶりに読んでみようと、寝転がって読み始めましたが・・wonderlandへ・・ 今朝のめざめは爽快でした。
外を見ると一旦雨が上がったみたい。そろそろ太陽も恋しいですね。