上飯田の地 ②

3月12日

名古屋南部で生まれ育った私にとって名古屋北部である「上飯田」は、子供のころは、遠い遠い「地の果て」の印象でした。1974年(昭和49年)に全廃された「名古屋市電」。熱田神宮から出る22系統の終点が「上飯田」。少年の私には想像するしかない、そして少し憧れる「未知の領域」でした。「上飯田」が未知の領域から、現実のものとなったのは、ひらたく言えば、「初めての上飯田」は迷い込みでした。高校入試を控えN高等学校に願書提出に行き、帰れば「お勉強」が待っているので、数人で「歩いて帰ろう」。早春の矢田川の河原で砂かけ合ったりお絵かきしたりして楽しくお遊び。日も傾いて我に返り「さあ帰ろう」。そして気づけば未知の国。「どうやって帰ろう」半泣きの思いで町の方に歩いて行くと、そこには懐かしき「市電!」「22番!」これで帰れるぞ!そこが、「憧れの地の果て、上飯田」でした。(22系統は当時通学していた中学の横を通っており、毎日見ていたのに、その時は懐かしく思ったのを覚えていますが、当時の風景は全く覚えていません)

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